松栄堂で取り扱っている電気窯は主に
スタンダードタイプの「AC・Jシリーズ」と
ハイスペックタイプの「AC・Dシリーズ」の2種類に分けられます。
ここではその違いについて説明します。
AC・Jシリーズ、AC・Dシリーズとも以下の考え方が同じです。
松栄堂の電気窯は、コイル状ヒーターを溝にいれることによって
ヒーターからの熱が窯に向けられます。
さらに、熱が表面のレンガに伝わり、 表面のレンガから輻射熱として窯内に向けられ、
じっくり芯まで焼き上げられる構造になっています。
AC・Jシリーズはスタンダードタイプであっても
耐火断熱熱レンガ作りでとてもスペックが高いのです。
それをさらに向上させたのが、ハイスペックタイプのAC・Dシリーズです。
ヒーターがのっているレンガ溝に
ムライト質セパレーターがあるのが、AC・Dシリーズ。
ムライト質セパレーターがないのが、AC・Jシリーズです。
では、下の写真で違いを見てみましょう。
両方の写真の黒いコイル状のがヒーターです。
ヒーターはAC・JシリーズもAC・DシリーズもカンタルAPMを標準使用。
壁の厚みにより、保温性が向上されます。
AC・Jシリーズの壁の厚みは、
155mm(特殊耐火断熱レンガ 115mm+保温用ボード40mm)
AC・Dシリーズの壁の厚みは、
180mm(特殊耐火断熱レンガとムライト質セパレーター 115mm+ 保温用ボード65mm)
と厚さが違います。
基本的には、どちらも壁は厚いため保温性が高く、 焼成後もゆっくり温度を下げていく仕組みです。 ゆっくり、温度を下げていくことにより、 粘土や釉薬の本来の焼き上がりなるのです。
AC・Dシリーズに使われているムライト質のセパレーターは、
熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が高い材質です。
それにより、熱がセパレーターや特殊耐火断熱レンガの表面に熱が伝わり
そこから輻射熱として窯内に向けられます。
セパレーターの効果で輻射熱がさらに増すことにより
薪窯に近い窯にしようと考えた構造なのです。
さらにヒーターの下に熱伝導性の高いセパレーターを敷くことで
ヒーターの熱を速やかに伝えて、ヒーターに負担を減らす役目もしています。